大つごもりの福の神(11)

「まあ、そりゃいたわしいことで」
とかかさんは、包みからお供えを出いてみたげな、”お供えは大きな餅と小さな餅と二つああけんお供えだども、一つあげえとお供えにならんけん、神さんが機嫌悪んされへんかいなあ”と思ったども、
標準語訳
「まあ、そりゃいたわしいことで」
と奥さんは、包みからお供えを出してみたそうだ。”お供えは大きな餅と小さな餅と二つあるからお供えだけれども、一つあげるとお供えにならないから、神さまが機嫌悪くされるのではないかなあ”と思ったけれども、
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