炭焼長者(15)


「これはお金です。一文銭や一部銀を何十枚も何百あつめても、この小判一枚にはかないません。とっても高いお金です。」 とおしえてやったげな。  すると炭焼の男は不思議そうにながめながら、こげ言った。 「これは、銭か、ふーん、これで物が買ええならおらが炭焼いちょう裏山の穴の中に、なんぼでもおいてあるで」 といったげな。こんどはお姫さんがびっくりした。 「そ、そんな、うそでしょう」


標準語訳

「これはお金です。一文銭や一部銀を何十枚も何百あつめても、この小判一枚にはかないません。とっても高いお金です。」 とおしえてやったそうだ。  すると炭焼の男は不思議そうにながめながら、こう言った。 「これは、銭か、ふーん、これで物が買えるならおらが炭焼いている裏山の穴の中に、いくらでもおいてあるよ」 といったそうだ。こんどはお姫さんがびっくりした。 「そ、そんな、うそでしょう」
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